2017/01/28

【働きかた】自分で歴史をつくるのが魅力 社内女性技術者で初のトンネル担当 東急建設東日本支店所・原沢蓉子さん


 入社2年目の2016年4月に山形県南陽市のたかつむじやまトンネル工事現場に配属され、東急建設の女性技術者として初めて同社施工のトンネル現場を担当する。当初は「受け入れられるか不安だった」が、坑外工事で作業員と顔を合わせてからトンネル工事を担当したこともあり「もう不安はない」と前を向く。

 現場では覆工コンクリートの管理などを手掛ける。「自然が相手なのでうまくいかないこともある」と苦労を明かすが「1日ごとに覆工コンクリートの打設が進んでいくことにやりがいを感じる」と手応えを口にする。
 建設業を志したきっかけは、中学生のころに出身地の新潟で発生した中越地震だった。初めて経験した大地震に「安全は普通にあるものではない」ことを実感し、土木工学に興味を抱いた。大学院ではコンクリートを専攻。「新しいコンクリート材料が開発されて成果が出ており、自分の研究が実社会につながっていくと思った」
 同現場では女性土木技術者の交流を目的とした会合も開かれ、発注者の女性技術者らとともに女性活躍推進のための環境整備などを議論した。「少しずつだが女性の数を増やすための取り組みは進んでいる」と感じており、「雑談程度でもいいので、同年代の人と一緒に自分たちに何ができるのかを考えていきたい」と先を見据える。
 現在は「現場の人が困った時に頼られるようになる」ことを目標に掲げており、将来は土木技術設計部のグループリーダーを目指す。「身体的に大変なこともあるが他の仕事では得られないやりがいがある。自分で歴史をつくる仕事は本当に魅力を感じる」とものづくりの醍醐味を語る。
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