2017/01/27

【記者座談会】都心ビッグプロジェクトが続々着工 鉄道・高速道路は安全対策、大規模更新に積極的


A 年明けから1カ月近く過ぎた。さて、民営鉄道や高速道路各社など民間発注サイドの2017年の動向はどうかな。画像は拡大・進化する虎ノ門ヒルズ

B 大手民鉄16社などが加盟する日本民営鉄道協会の根津嘉澄会長がことしの課題として強調したのは、駅・ホームの安全対策と、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会への対応だ。東武鉄道が競技会場最寄駅でホームドア整備を優先的に進めると発表するなど、各社とも積極姿勢を見せている。
C JR東日本は競技会場に近い千駄ヶ谷、原宿などの駅改良や、品川開発プロジェクトで計画している品川新駅(仮称)の整備を本格化する。鉄道各社は、大規模地震に備えた耐震補強などにも重点的に取り組む姿勢を示している。
B 高速道路ではネクスコ各社のトップが「高速道路にリニューアルプロジェクトの本格展開」を異口同音に挙げていた。これに伴い、インターチェンジ間を1工区としたり、複数の橋梁を一括するなど大規模ロットによる工事発注や、新たな契約方式も拡大しそうだ。首都高速道路の大規模更新事業などを見ても、高度な民間技術力を“武器”に施工者が設計など川上段階から参加する機会がさらに増えてくるだろう。
C 日本ショッピングセンター協会の清野智会長は、ショッピングセンターの開発動向について開発意欲は盛んと指摘した。施設にはアミューズメント性が重視され、大型化するとみている。また、都心を中心に百貨店の業態変化の傾向が強まるので、施設のリニューアルや建て替えが増えそうだ。
A ところで、年が明けてこれまでに東京都港区の虎ノ門エリアで、森ビルが主導する大規模プロジェクトが相次いで着工したね。
D 虎ノ門ヒルズ森タワーの北側に「(仮称)虎ノ門ヒルズビジネスタワー」、森タワーの南側に「(仮称)虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワー」をそれぞれ建設する。森ビルが計画を進めてきた虎ノ門ヒルズ(東京都港区)の拡大整備による「国際新都心・グローバルビジネスセンター」構想が本格的に始動する。
E 桜田通りを挟んだ西側には、東京メトロ日比谷線虎ノ門新駅と直結する「(仮称)虎ノ門ヒルズステーションタワー」の計画も進めている。これら一連のビルは、それぞれデッキで接続して六本木ヒルズのように一体的な施設として運用する計画となっている。
D ステーションタワーの敷地は、北側と西側がそれぞれ拡大したようだ。拡大によって、敷地北側の一部が環状二号線に接道するほか、西側の一部も虎ノ門病院再開発街区側に面することになる。2つの再開発が隣り合うことで、その相乗効果にも期待できそうだ。
E 一方で、森ビルが参画する虎ノ門・麻布台地区市街地再開発準備組合が計画している再開発事業は、7棟総延べ約82万㎡、最高高さ約330mを持つ施設群を建設する。虎ノ門エリアからの連続性を持たせた開発で、18年度の着工、22年度の竣工を予定している。地下鉄神谷町と六本木一丁目駅を結ぶ歩行者ネットワーク、緑地や大規模広場などを整備する計画で、このエリアの風景も一変しそうだ。
A これは都心部に一極集中したことなのかな。
F 多摩地域で地元経済界の賀詞交歓会に足を運んだが、会場は満員だった。立川や武蔵野市などでは人口が増加している。多摩地域は大規模マンション開発も盛んで、なかには“億ション”の声もあり、建設需要は好調だ。
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