2016/12/21

【働きかた】若手がついてくる管理職でありたい 住友大阪セメント研究所・渡辺育子さん


 セメント・コンクリート研究所研究企画グループ研究管理チームのチームリーダーとして、研究開発活動を側面からサポートする。同社の女性管理職では在籍する8人のうち2人目。入社後は大阪と船橋の研究所で研究員などのキャリアを積み、4年前から現部署に所属する。研究テーマの進捗管理、特許・契約書などの権利にかかわる管理、社内外からの情報収集・解析、研究報告会の企画・運営などを通じて、より効果的な開発成果が得られるように取り組んでいる。特に同業他社の異分野への応用事例にまで幅広くアンテナを張り情報収集を心掛ける。研究員の人材育成にも取り組み、個人だけでなく組織力も含めたさらなる強化・向上を目指す。

 ここにきて「女性が活躍できる環境が急速に整ってきた」との印象をもつ。「入社時は数人だった女性研究員も徐々に増え、育休、時短制度を活用して多様な働き方をしている」とも。働く人の意識改革が進んだ上に、同社が4月に「ダイバーシティ推進グループ」を設置、新卒採用数(総合職)に占める女性の割合を20%、女性管理職数を2倍とする目標を掲げるなど、多様な人材が生き生きと働ける企業に向けて体制を整えたことも大きい。
 とはいえ、セメント業界では女性管理職が少なく、まだこれから。それだけに「芯があり、若手がついてきてくれる人でありたい」と自分に言い聞かせる。管理職への昇進をためらう若手女性にも「できることが増える。一歩前に出て」とエールを送る。
 研究所一筋で歩んできただけに「研究員ならではの試行錯誤、悩みを理解できる」との自負がある。だからこそ若手との交流を重視する。研究所では「プレゼンテーション力、論理的思考はもちろんのこと、上司の心を引く力」が求められる。「臆病にならず“ダメもと”でもやりたいことを提案してほしい。上司は待っている」と背中を押す。
 大学(理学部)では教員を志した時期もあったが、セメント以外にも光電子、新材料、電池材料事業に注力する同社に魅力を感じた。セメントの楽しさは「昔からあるが、まだ研究する技術課題があるところ」。休日も「ミキサー車を追いかけてしまうし、工事現場のセメント袋が気になってしまう」
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