2016/12/16

【働きかた】父の背中見て目指すは所長 鹿島東京建築支店・永野真美さん


 「いずれは所長になりたい」。入社8年目で、すでに都内の大型建築現場を7件経験し、8件目は東京・有楽町の真ん中で進む現在の現場で、エントランスとなる中間階の内装を担当している。所長を目指して経験を積む日々だ。

 建設業を志望する直接的なきっかけは、「大学時代に公的な助成プログラムの一環で、大きな小屋を造って、設計図作成や構造計算、木材の切り出しもやってみて、やっぱりものづくりは良いなと思った」ことだった。もともと「小さいころからものづくりが好きだった」。父親が同社の現場監督で、「大規模現場でのバーベキュー大会などに一緒に行って、機械を触らせてもらったりした」ことが建設業に目を向かせた。
 入社後は、「もっと力仕事がたくさんあると思っていたが、計画や工程管理などが多く、女性にも続けられる」と感じた。徐々に経験を積み、現場では職人とフランクに声を掛け合い、信頼できる職人を以前の現場から連れて来られるようにもなった。
 朝5時に起きて7時に現場に入るという生活だが、「逆に終業は少し早いので、有効に使える。バーゲン期間中には仕事終わりに買い物に出掛けることもある」と息抜きも忘れない。
 次の現場は「自分の目がすべて届き、最初から最後まで工程管理、ものづくりの計画がしたいので、小さい現場に行ってみたい」と語る。その先には「内装の検査など、女性特有の細やかさを求められる場面も多いので、それを生かして、施主や設計者などに提案できるような仕事をしたい」と考えている。目指す所長像は「細かい部分からつくり込める所長になりたい」と見据えている。
 いまは定年退職した父が、現在の仕事の関係で現場に来たことがある。「入社したころに、一緒に仕事ができれば良いなと思っていたので、良かった」とうれしそうに笑う。「いつかは、自分の子どもに、お母さんがこれをつくったと言ってみたい」。建設の魅力が受け継がれていく。
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