2016/12/22

【仙台市】掘削延長1939m! 原町東部雨水幹線工事2のシールドマシンが発進


 仙台市が下水道浸水対策事業として整備する原町東部雨水幹線工事2のシールド発進式が20日、若林区の現地で開かれた。佐藤工業・深松組・高工JVが施工する。2017年11月までに掘削を終え、雨水取込管工などを経て18年3月の完成を目指す。

 同市東部に位置する原町東部地区は、浸水被害が多発する低平地となっており、これに加え、東日本大震災に伴う地盤沈下が発生している。
 このため、若林区大和町から宮城野区鶴巻(鶴巻ポンプ場)までの総延長6500mの雨水幹線を2工区で整備し、浸水被害の低減を図る。
 第2工区に位置付けられた同工事は、15年1月から準備工に着手し、市道東仙台南小泉線の若林区卸町に発進立坑(深さ38.9m)を築造した。今後、同線に沿って南に掘り進め、市営地下鉄東西線卸町駅直下を通過して狐小路尼寺線に到達後、西側の大和町に設ける到達立坑(深さ32.8m)までかぎ型に掘削する。掘削延長は1939m(内径2000mm)。泥土圧シールド工法で施工する。
 また、佐藤工業は同工事の作業員に女性技術者2人を配置しており、女性活躍推進の一環として、積極的に現場をPRしていく方針だ。
 この日は関係者約50人が出席。式典では、村上貞則市建設局長、横山正樹佐藤工業執行役員東北支店長、深松努深松組社長、高橋圭高工代表取締役の4人が発進ボタンのスイッチを力強く押すと、シールドマシンが掘削を開始した。この後、代表者が神前に玉ぐしをささげ、工事の安全を祈願した。

スイッチを押す代表者(左から高橋圭高工代表取締役、横山正樹佐藤工業執行役員東北支店長、
村上貞則市建設局長、深松努深松組社長

 席上、あいさつに立った村上局長は「本事業は、地域の皆さんの長年の要望事項であり、大きな期待が寄せられている。土被りは約30mで、れきも多い。これらの課題を高い技術力で乗り越え、安全第一に無事故で完成させてほしい」と語った。
 これを受けて横山支店長は「非常に難易度が高い工事で、隣接工事との兼ね合いから、統括管理も課題だ。企業体と当支店の技術力を結集し、発注者と協力しながら工事を進めていきたい。女性社員が活躍する先駆けの現場となるだけに、明るくきめ細やかな現場として、しっかり応援していきたい」と述べた。
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 倉田学作業所長(佐藤工業)の話 「大深度・高水圧の砂れき層を屈折する長距離の掘削となる。地下鉄のすぐ下を横断することから、非常に難しい工事となる。さらに交通量が多い市街地ということもあり、緻密に計測しつつ、周りに影響を与えないように安全に配慮しながら慎重に工事を進めていきたい」
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