2016/11/21

【すみだ北斎美術館】「地域に開かれ、成長する美術館」11/22オープン! 設計は妹島和世


 日本が世界に誇る浮世絵師・葛飾北斎の貴重な作品をそろえた新たな美術館が22日、生誕地である本所割下水(現東京都墨田区亀沢)に開館する。墨田区は18日、オープンに先立って「すみだ北斎美術館」を報道機関に公開した。建築家・妹島和世氏が設計を手掛け、大林組・東武谷内田建設JV(建築)が施工し、展示制作を丹青社が担当した。

 都営地下鉄大江戸線両国駅に近い緑町公園内に建設した北斎美術館は、RC一部S造地下1階地上4階建て延べ3278㎡の規模で、コンセプトは「地域に開かれ、成長する美術館」。縦にスリットが入り、いくつかの建築が合体したような形状をした外観デザインで、1階部分は4ブロックに分かれているが、地下階と2-4階はワンフロアで構成。外壁は淡い色調の鏡面アルミパネルを採用し、下町の風景が映り込むことで周囲と調和させている。

企画展示室

 常設展示室は、北斎の生涯と画業の歩みを紹介するとともに、北斎と娘のお栄の暮らしぶりをリアルに再現したアトリエなどを備える。また、企画展示室では、開館記念展「北斎の帰還-幻の絵巻と名品コレクション」(2017年1月15日まで)として、約100年間行方が知られていなかった長さ約7mに及ぶ北斎の肉筆画「隅田川両岸景色図巻」を始め、版画、摺物、版本など約120点を一堂に展示。代表作「冨嶽三十六景」などの作品を間近に見ることができる。
 山本亨区長は「北斎を区民の誇りとして長く顕彰し、その偉業や作品を国内外に発信する新たな文化創造拠点として、北斎の精神を受け継ぎ、新たな価値を創造する美術館、そして『国際観光都市すみだ』にふさわしい美術館を目指して、成長させていきたい」とあいさつ。美術館を重要コンテンツに位置付け、シティープロモーションを本格展開していく考えだ。
 建設地は亀沢2-7の敷地約1250㎡。
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