2016/05/11

【働きかた】やりがい伝え、技術を磨く 「けんせつ小町活躍推進表彰」受賞のオリエンタル白石・下川愛さん


 日本建設業連合会が創設した「けんせつ小町活躍推進表彰」の優秀賞を受賞した。女性の活躍を推進する活動を顕彰するもので、唯一の個人での受賞となった。

 オリエンタル白石福岡支店の工事部土木工事チームに所属する。現在は、九州地方整備局佐賀国道事務所が建設を進める国道497号西九州自動車道唐津伊万里道路の橋梁工事に携わりながら、佐賀国道事務所が受け入れている多くの出前講座や他の現場で開催される見学会などに参加し、「土木工事のやりがいや楽しさなどを伝えている」。出前講座を含めた見学会への参加は15回に及ぶ。
 建設業に進む契機となったのは、阪神・淡路大震災。大分工業高等専門学校で進路に迷っていた時に発生し、「頑丈なものと思っていた構造物が容易に壊れる状況を見て、壊れないものをつくりたい。建設にかかわる仕事につきたい」と考え、長崎大工学部構造工学科に編入した。オリエンタル建設(現オリエンタル白石)に入社後、新設橋梁の設計を経て、橋梁工事の現場、補修補強の設計などを経験。現在は、「技術士の資格取得も目指し、日々奮闘中」と語る。
 女性であるためにできないことがあり、引け目を感じたことや悔しい思いもしたが、「女性でもできることはたくさんある」と考えを改めて乗り越えた。「人の温かさを感じながら仕事ができ、完成後は達成感が得られる」とやりがいを話す。初めて女性職員に会った協力会社からは、「現場が和み、明るくなる」と声をかけられた。現場代理人を任された工事で「地域住民にびっくりされた」ことも。
 「発注者や同僚、協力会社は不安だったと思うが、皆さんに支えられて今の自分がある」と謙虚に語る。建設業の担い手不足が深刻化しつつある中、「男女を問わず、後輩に入ってきてほしい」と訴える。そのためにも、「模範となるよう技術力を磨かなくてはならない」と前を向く。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

0 コメント :

コメントを投稿