2016/05/18

【関西建築家新人賞】「象の家」の中西ひろむ氏と「槇塚台の家」の石倉康平氏が受賞


 日本建築家協会近畿支部(JIA近畿、松本敏夫支部長)の第11回関西建築家新人賞に「象の家」の中西ひろむ氏(中西ひろむ建築設計事務所)=写真右=と「槇塚台の家」の石倉康平氏(石倉建築設計事務所)=写真左=が選ばれた。

 16日に大阪市内で開かれた会見で中西氏は「目標としていた賞で、感激している。歴代の受賞者に負けないよう、気持ちを引き締めていきたい」、石倉氏は「現地に見に来ていただけるだけでも光栄だった。賞に恥じないよう精進していきたい」と喜びを語った。同日総会後に開いた表彰式では松本支部長から表彰状が贈られた。

象の家(撮影:中村絵写真事務所)

 中西氏の象の家(京都市中京区)は、三方が擁壁で囲まれた窪地に建つ木造平屋一部2階建て延べ95㎡の住宅。ロの字型の中央に設けた中庭から光と空気を取り入れている。内部は一体の部屋でありながら、スペースごとに天井高や壁の印象を変え、豊かな空間をつくりあげている。

槇塚台の家

 石倉氏の槇塚台の家(堺市南区)は、築50年前後の家が建ち並ぶニュータウンに建つ木造2階建て延べ138㎡の住宅。ひな壇場の敷地形状を生かし、道路に面する部分は基礎を上げて下を駐車スペース、上を居住空間としている。奥に進むごとに上がるフロアレベルを緩やかにつなぎ、ワンルームのような一体感を生み出している。
 審査員は建築家の竹原義二氏(無有建築工房)と写真家の小川重雄氏、構造設計家の満田衛資氏(満田衛資構造計画研究所)が務めた。
 会見で竹原氏は「中西氏は36歳、石倉氏は37歳と若く、新しい切り口を見せてもらった。中西氏の作品は独立後2作目でありながら老練なテクニックで、知識の多さをうかがわせている。石倉氏の作品は時間が経つほどに味わいが出てくる作品と感じた」と講評。「両人ともこれからの関西の建築界を担う逸材だ」と絶賛した。
 松本支部長は「受賞を機にこれからも大いに努力して、次は建築家大賞を狙ってほしい」と声を掛けた。
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