2016/05/31

【現場最前線】首都高の大規模更新事業初弾「高速1号羽田線更新工事」、報道陣に公開!


 首都高速道路会社は30日、首都高の大規模更新事業の初弾となる高速1号羽田線(東品川桟橋・鮫洲埋立部)更新工事の現場を報道機関に公開した。大井ジャンクション(JCT)を6月8日から約40カ月間通行止めにした上で、本格着工する。実施設計を含めた施工は、大林組・清水建設・三井住友建設・東亜建設工業・青木あすなろ建設・川田工業・東京鉄骨橋梁・MMB・宮地エンジニアリングJVが担当。今後、迂回路の設置に入り、上り・下り線の更新など、全体を4段階で進める。2026年度末の完成を目指す。総事業費は986億円。

 1号羽田線(東品川桟橋・鮫洲埋立部)は、翌年に東京五輪開催控えた1963年12月に開通。このうち、東品川桟橋は、長さ1200m、幅員17m(3.25m×4車線)で、構造は下部工がプレストレストコンクリート(PC)杭+セルラー、上部工がRC桟橋。鮫洲埋立部は、長さ460m、幅員17m(3.25m×4車線)で、タブロッド式綱矢板土留め構造。工事は、海水面から一定程度離れた高架構造とするため、下部工を含めて桟橋全体を架け替えるもので、「首都高速開業来初めての本格的な更新工事となる」(同社)。


 具体的には、1号羽田線のうち、東京都品川区東品川2丁目~東大井1丁目間の約1900mを施工延長に、橋梁上・下部工各一式を始め、土工部かさ上げ工、道路付属物工、構造物撤去工、水管橋構造改良工、仮設工など各一式を行う。首都高速道路会社では、「工事中の影響を軽減させるため、迂回路を設置する」と説明。「20年の東京五輪開催時には、迂回路に交通を切り替えて対応する」考えだ。


 工事は4段階で計画。現在は「ステップ1」で、17年夏から秋にかけ本格化し、工事用道路・迂回路を設置する。「同2」はその後、20年開催の東京五輪までで、上り線を迂回路に切り替えた後に、上り線の造り替えを計画している。東京五輪後から23年中ごろまでを「同3」として、完成した上り線に下り線を切り替え、大井JCTは迂回路に暫定的に接続させる。その上で、下り線の更新に移る。首都高速道路会社では「ステップ3前までの段階で20年開催の東京五輪を迎える計画」と説明。最終段階の「同4」は23年中ごろから26年度末までを予定。上下線の交通を更新線に切り替え、仮設構造物などを撤去するなどして完成させる。
 同工事によって、京浜運河の海水面や一般道など交差構造物と並行する東京モノレールから一定の間隔を確保した位置に造り替え、長期的な耐久性や将来の維持管理性を確保する。
 大林組JVは、技術提案審査・価格等交渉方式による公募型プロポーザルで選定。首都高速道路会社では、「首都高で初めて通行止めを回避して道路を更新する前例のない大規模更新工事」とし、さまざまな構造・施工法がある中で民間活力を最大限に生かすため、同方法の採用に踏み切った。実施設計と施工を一括して、昨年8月に契約(契約額739億円・税別)。これまでに実施設計を行うとともに、ことし2月から準備工事に着手していた。
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