2016/04/20

【未来型トイレ】水不要!コスト安!メンテ楽! 災害対応にも注目集まる小便器「URIMAT」


 奈良建設(横浜市港北区)100%子会社のセットアップ横浜(横浜市港北区)が正規代理店として販売や施工を手掛ける環境に優しい未来型トイレ「URIMAT(ウリマット)」の設置実績が着実に広がってきた。電気や化学薬品、水も必要としないことが評価され、富士山の山小屋にも使われている。同社ではランニングコストの節減やCO2の排出削減などとともに、災害時の有用性に着目し、積極的な提案活動を展開している。

 ウリマットは、スイスのウリマット社が開発した無水小便器で、水道代や電気代などのコスト減や軽量(4.5㎞)で陶器の150倍という表面密度、施工とメンテナンスの簡便性など多くの特徴を備える。世界45カ国で販売しており、国内でも鉄道駅ビル、空港、スポーツクラブ、病院、学校、工場など、さまざまな施設に使われている。
 特徴の1つであるコスト削減は、1日約1000人(200人×5回)が使用した場合、ウリマットの設置コストを加えても1年間で上下水道料金の約70%を抑え、初期投資の回収も容易だという。メンテナンスも容易で、小便器下部のMBアクティブ・トラップ(固形洗浄剤内蔵カートリッジ)が汚水管内部の尿石発生を抑制。有用微生物の働きを利用したMBアクティブ・クリーナーを毎日の清掃時に噴霧すれば悪臭を分解し、バクテリアの繁殖を防ぐ。
 同社では、環境負荷を低減する能力を生かし、社会貢献の立場から、災害時の効用に注目している。水や電気を使わず微生物の力を生かして悪臭を遮断・分解する機能は、被災時でも下水道の本管さえ機能すれば日常生活と変わらずにトイレを使用できる。
 また、空港施設では従来から課題であった旅客用トイレの環境改善のため、3台を試験設置して1年間使用した結果、改善が確認され、15台を本格設置した。環境変化が激しく、臭いの問題を抱える建設現場でも効果は大きく「女性も働きやすい現場環境の整備に役立つ」と考えている。
 小便器の上部には情報を表示できるディスプレイ「デジタルサイネージ」が設置できる。日常的には広告スペースとして活用し、災害発生時には情報伝達のスペースに活用することで、災害対応でも効果を生み出せると見ている。
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セットアップ横浜 横浜市港北区新横浜1-13-3。電話045-475-6007。

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