2016/03/10

【働きかた】女性でただ一人の現場実務、講演で全国飛び回る 杉孝・高橋理恵子さん


 建設業界のことも、ましてや足場など仮設のレンタル業界のことも知らずに、大学卒業と同時に飛び込んだ。しかし、「女性ということで不便を感じたことはない」と言い切る。逆に、希望した営業からスタートして、「建設業は男性社会で女性が少ないため、顔と名前をすぐに覚えてもらうことができた」とメリットを挙げる。

 「困ったときは、仲間や先輩に相談した」。問題は自分一人で抱え込まず、周りを信頼して助けを求めることができる外向的な性格で切り抜けてきた。入社して15年がたち、支えてくれた周囲やさまざまなことにチャレンジさせてくれた会社に感謝を示す。
 インタビューの受け答えが実にはきはきとしている。それもそのはず、営業から現在の安全コンサルティング課に異動して、「足場の法令や足場の点検などについて講演している」。同課は、年間150件程度の講演を6人で担当しているが、そのうちの3、4割を彼女が1人でこなしているという。
 講演依頼はゼネコン、サブコンだけでなく、発注側の電力会社などからもあり、10人程度の会場から150人を超える規模までバラエティーに富んでいる。平均すると週1回ペースで、地方への出張もあり、席が温まる暇がない。
 昨年、3級とび技能士の資格を取得した。チャレンジ精神が旺盛で、さらに高い目標を掲げ、ことしはワンランク上の2級を受検する。
 杉孝の従業員約450人のうち4割は女性だが、ほとんどが事務職で、「現場に出て実務をしているのはわたし一人」。これまでの経験を踏まえ、「男性社会だからといって、構えることはない。心やさしい男性陣がいっぱいいる」と、エールを送る。
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