2016/02/08

【トキワ荘】漫画の聖地を完全復元へ! 豊島区が「南長崎マンガランド事業」で予算化


 漫画の神様たちが青春時代を過ごした奇跡のアパート「トキワ荘」を完全復元へ--。東京都豊島区は、2016年度から、トキワ荘復元に向けた基本計画(構想)策定に取り組む。16年度予算案の南長崎マンガランド事業の中で予算化。高野之夫区長は、跡地に国内外から多くのファンが訪れるトキワ荘について、「復元しないと、この計画は完成しない」とし、マンガランド事業の延長として、実物大での完全復元に向けて積極的に取り組む姿勢を示した。写真は跡地にある「トキワ荘」のモニュメント。

 同区南長崎3丁目にあったトキワ荘は、昭和20-30年代に手塚治虫を始め、後に日本を代表する漫画家となった石ノ森章太郎、赤塚不二夫、藤子・F・不二雄、藤子不二雄A氏らが集まって住んでいたアパート。木造2階建て延べ165㎡の規模で、1982年に取り壊された。
 高野区長は、地域文化資源を生かしたまちづくりを重視し、「アニメの原点に漫画がある。日本を代表する大切な文化を育てていくのは行政の使命」と強調。著作権や建設地など難しい課題はあるとしながらも、「今後3年ある任期内に実現したい」と強い意欲を示す。
 南長崎マンガランド事業は、トキワ荘のあった街に、同区ゆかりの漫画家の作品をモニュメントとして誕生させる。4月に手塚治虫の「ジャングル大帝」のモニュメントや、寺田ヒロオの「背番号0」の紹介パネルなどがお披露目になる。引き続き、モニュメントを設置し、南長崎地域全体で“マンガ”を感じられる取り組みを進める。16年度予算案には、事業費約1250万円を計上している。
 「国際アート・カルチャー都市」を掲げる同区では、13年にトキワ荘跡近くに休憩・案内施設「豊島区トキワ荘通りお休み処」を開設するなど、地域の文化を生かした街づくりを展開している。
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