2015/07/24

【新国立競技場】コンペ次点のコックス(豪州)がコスト、工期の再チェックに着手

2012年の新国立競技場国際デザインコンククールで、次点の「優秀賞」となった、豪州のコックス・アーキテクチャーは24日、豪州大使館を通じて競技場整備についてのコメントを発表した。コメントでは、12年当時のスタジアム概算建設コストが、開閉式屋根を含めて1170億円で、19年3月の完成を予定していたことと、現在ザハ案の代替として採用された場合のために、コストの再計算、工程チェックを進めていることなどを公表した。

 コックスのディレクターであるアラステル・リチャードソン氏=写真=は、「当社は現在、豪州で新パーススタジアム(6万人収容)の設計を手がけており、最終的な建設コストは1席あたり約126万円を予定している。また12年以降、オリンピック・レガシーに関するセミナー講師などで、10回以上来日している。限られた準備期間の中で、オリンピックを始めとする長年の経験が日本の皆さんの役に立つと考えている」とコメントする。
 同社には、安倍晋三首相が18日に計画の白紙撤回を発表した直後から、同社の作品が代替案として採用されるのではないかという問い合わせが相次いでいた。
 また、13年12月に豪州大使館で開いた五輪セミナーでは、「五輪のスタジアムには、本設の座席と仮設座席を組み合わせて、期間終了後は最小限の改築で対応できる計画が必要で、デザインで仮設座席を本設座席に見えるようなアイデアも可能だ」と講演していた。
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