2015/06/08

【TREES】宮島口の国際コンペに挑む7作品決定 若手による広島型まちづくり実現へ一歩

TREESが宮島口まちづくり国際コンペに向けて取り組んできたワークセッション「TREES Work Session」の最後のデザインイベント「プレゼンテーション」が広島市内で開かれ、参加者同士の熱い議論、ゲストからの助言を受け、コンペに提出する7作品が決まった。デザインイベントの成果を踏まえ、作品提出期限までの残り約1カ月間、それぞれの参加者が大詰めの作業に入る。

 建築を学ぶ学生や社会人の若手(20-30代)による議論の場を生み出してきたTREESの新たな試みは、宮島口まちづくりコンペへの挑戦だった。コンペをこれまでの建築家や設計事務所の競争の場だけでなく、まちづくりに向き合う場ととらえ直し、市民をも巻き込んだオープンでフラットな協創の場として「Work Session」をつくり、さまざまな課題や意見を取り入れた新しい広島型のまちづくりを目指した。
 「Work Session」のルールは、▽参加者全員が広く、さまざまな意見や情報を集め共有する▽参加の中のアイデアは転用可。しかし必ず元のアイデアよりも良くすること▽アイデアはデザインに対する批判可(発展する批判)▽すべての活動を記録・公開し、それぞれの活動も積極的に発信する--など。活動の拠点となる「TREES Lab」が3つのイベント(ラウンドデーブル、デザインシャレット、プレゼンテーション)を開催し、プレゼンテーションに臨んだ7作品全てを提出することを決めた。
 5月30日に広島市内で開かれたプレゼンテーションでは、グループ、個人で参加する7者の代表者が発表した。発表者は中山慎介氏(グラフィックデザイナー、Liner Notes代表)、高田真氏(アーキウォーク広島代表)、谷村仰仕氏(広島国際大学講師)、六浦基晴氏(建築家、m5_architecte代表)、内田哲広氏(建築家、設計事務所勤務)、島谷将文・寿美礼夫妻(建築家、ハンクラデザイン代表)、前田大輔氏(建築家、sequence studio代表)。
 ゲストには、建築家の古谷誠章(早大教授)、建築リサーチャーの川勝真一(RAD主宰)の両氏のほか、大前公子氏(旅行会社オフィスガンボ運営)、岩竹香織氏(ラジオパーソナリティー)、ポール・ウォルシュ氏(広島経済大学助手)が参加し、各提案に対する講評、助言などを送った。古谷教授は、今回のイベントについて「若い人たちが凄いエネルギーと好奇心とファイトを持って街や都市の将来のことを考え、戦い合っていることがうれしかった。1人が傑出して何かを出しているという技術的な建築画像と違って、市民を含めたイベントの中から『俺たちの街をこうしようよ』という強いビジョンを提案していける土壌を皆さんが築きつつあることに対してこれからも応援していきたい」と評価した。
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