2015/06/22

【東京メトロ】車両のレモンイエローをデザインに 銀座駅デザインコンペ最優秀賞に吉岡あずささん

東京地下鉄は18日、東京・銀座の資生堂花椿ホールで「東京メトロ銀座駅デザインコンペ」の結果発表・表彰式を開き、最優秀賞に吉岡あずささん(アトリエ・ジーアンドビー)のデザインを選定した。2017年の銀座線開業90年と20年東京五輪を見据えた同線全駅リニューアルの一環で、同駅デザインを一般公募。応募182作品の中から選ばれた。同社は、今後予定している同駅のリニューアルにデザインを反映させていく。画像はコンコースのイメージ。

 吉岡さんのデザインは、「『駅』の機能を持ちつつ、人の集まる場所に。『銀座』という街の個性を生かしながら、『歴史』と『最先端』を感じる空間」を提案。銀座を「歴史と最先端が混在する街」ととらえ、歴史と最先端の対比によって空間を構成し、地下に銀座の街を新たな形で再現している。

半透明ガラスを用いた門形の上屋
具体的には、プラットフォームの壁面を銀座線・銀座の歴史的なモノクロ写真で覆い“銀座の画廊”を創出。柱は「銀座の柳」とともに、銀座線の車両色を現すレモンイエローを基調にしたカラーガラスで地下を明るくさわやかな空間に生まれ変わらせる。地上と地下駅をつなぐ上屋は「門形」で、レモンイエローの半透明ガラスによって個性づける。銀座改札口に「格子」で構成された門形フレームを設け“品格・おもてなし”を表現する。
 駅デザイン公募は、下町、商業エリアのコンペに次ぐ第3弾。設計事務所やゼネコン、大学生や高校生など幅広い世代から182作品の応募があった。これを学識者ら外部委員を交えた10人の審査委員会(委員長・入江健二常務)が審査。1次審査で16作品に絞り込み、2次審査を経て、最優秀賞などを選定した。

奥義光社長(左)からトロフィーを手渡される吉岡あずささん
東京地下鉄の奥義光社長は、「銀座は、新しいものを積極的に取り入れながらも伝統や文化をしっかり守り続けるという銀座らしさを追求し続けている街。未来の銀座の街と駅が目に浮かぶような作品が選ばれた。今後は、皆さまからいただいた貴重なアイデアを生かして、銀座らしさのある素晴らしい駅へと仕上げていきたい」とあいさつした。その後、最優秀賞の受賞者らに表彰状、トロフィー、目録などを手渡した。
 最優秀賞の吉岡さんは「たいへんうれしい。初めて銀座線のレモンイエローの車両を見た時の驚きを伝えられたらと思い、その色をデザインの中に落とし込んだ。(京都出身で)銀座はまだまだ“初心者”なので、これを機にもっともっと知りたい」と喜びを語った。
 同駅は、20年の東京五輪までにバリアフリー化などを含め駅のリニューアルを完了させる。今後、17年度までに浅草~京橋間(日本橋を除く)、東京五輪までに新橋・虎ノ門・渋谷を除く全駅のリニューアル完成を目指す。投資額は約500億円を見込んでいる。
 最優秀賞以外の受賞者は次のとおり(敬称略)。
 〈優秀賞〉
 ▽谷山大介(Daisuke Taniyama Associates)▽上村玲奈(資生堂)▽李仁行(ノンスケール)。
 〈入選〉
 ▽北園直路(Katachi ap)▽足立英樹(オッズ電業)▽山内沙紀(tetoteto)▽金城正紀(社会環境設計室)▽茅岡彰人(大林組)。
 〈特別賞〉
 ▽白石征也(板橋区立志村第三小学校)▽谷口充良(ダイス設計)▽岸野桃子(資生堂)▽新田知生(向日葵設計)▽大久保良太(アトリエ・ジーアンドビー)。
 〈奨励賞〉
 ▽高橋拓也(ワイピーデザイン)▽國分元太(東京理科大理工学部建築学科)。
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