2015/05/15

【ブラジル技能五輪】左官・日本代表の堀良成さん(堀工業)、代表の誇り胸に活躍誓う

ことし8月にブラジル・サンパウロで開かれる、第43回技能五輪国際大会の左官・日本代表に堀工業(新潟市)の堀良成さん=写真=が選ばれた。日本の伝統技能の担い手として、世界の舞台でそれを披露することに少なからず重圧を感じながらも、先人たちが築き上げた“技”の高さを証明する絶好の機会となる。「金メダルを獲得する」という目標の下、厳しい訓練に励む姿に同大会での活躍が期待される。

 日本代表の選考を兼ねた第52回技能五輪全国大会は、2014年11月28日から12月1日まで愛知県岡崎市で開かれた。堀さんは銀賞だったが、上位2人が国際大会の参加要件である年齢規定(22歳以下)に抵触するため、繰り上げ当選となった。
 国際大会は8月11日に開幕し、12日から15日までの4日間で各国の代表者がしのぎを削る。16日に幕を閉じる。左官では壁面の仕上がりや形状の美しさ、寸法精度などを競うが、作業効率などを考慮しながら、最良の工法を選ぶ能力や魅力的な壁を仕上げる感性が問われる。
 渡伯を全面的にバックアップする新潟左官工事業協同組合の佐久間義晴理事長は、「日本の塗る技能は世界トップ。(堀さんは)まだまだ荒削りな部分もあるが、これまで培ってきたものを発揮すれば、同世代の中で十分通用するだろう」と太鼓判を押す。
 ただ、国際大会はフランスやドイツなどの左官作業を基本とするため、塗り以外に、日本では分業化している軽量鉄骨の組み立てや石膏ボードの取り付けが課題として求められ、「上位進出にはこの習得がかぎになる」(佐久間理事長)とみている。
 堀さんは、左官エキスパートの高野雅一氏が在籍する新潟県立魚沼テクノスクールで強化訓練を実施=写真。2-7月までの半年間、泊り込みで墨出しと軽鉄組み立て、石膏ボードの取り付けなどを学び、本番に備える。練習場には励ましの言葉が詰まった日章旗を飾り、それを糧に日々精進している。
 左官での日本代表は新潟県から多く輩出しており、07年の日本・静岡大会では堀美幸さんが銀メダルを獲得している。
 (ほり・りょうせい)1993年生まれ、新潟市出身。「天才とは1%のひらめきと99%の努力」を信条とする努力家だ。
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