2015/02/04

【四国地整】「子どもは一所懸命働く親を見ているから」 女性技術者が両立と職場環境語り合う

四国地方整備局は2日、サンポート合同庁舎で、女性技術者による意見交換会を開いた=写真。「人材不足は『うちらに』おまかせ」と題し、建設業界や行政で活躍する女性技術者12人が、女性が働きやすい職場環境づくりや今後の女性技術者の採用などについて本音で語り合った。

 参加者は建設業界に就職した理由として「実家が建設業で、幼いころから興味があった」「土木が身近な存在だった」「父が建築関係の仕事をしており、興味があった」「小さいころ、バイパスや瀬戸大橋の開通を間近に見て、興味を持った」など、幼少期からの環境が進路選択に影響を与えたと語る人が多かった。
 出産や子育て、家事と仕事の両立に苦労する様子もうかがえた。「子どもが病気の時は父母に預けている」「核家族なので、父母に頼ることができない。子どもが病気の時は、主人が半休を取得し、交代で看病した」とする声もあった。
 さらに、「出産時に退職しようと悩んだが、会社のサポートもあり、仕事を続けることにした」「繁忙期はいったん帰宅し、家事を終えてから会社に戻り、仕事をすることもある」との声も聞かれた。
 藤田組の藤田由美社長は若い子育て世代の技術者に対して「子どもはいつかは自立する。いまは大変かも知れないけれど、子育ての期間は長い人生の中での短い期間だ。子どもは親が一所懸命働いている姿を見ているので頑張ってほしい」と語り、自らの経験を基にエールを送った。
 職場環境に関しては、「男性社員も育休を取得するケースが出てきた」「上司に理解がある」などのケースが報告された。「周囲に甘えるだけでなく、きちんと仕事をこなすべき」「できる範囲内で仕事をきちんとする必要がある」「現場の男女兼用トイレは気になる」との意見も出た。建設業の魅力としては「地図に残る仕事」「楽しいし、やりがいがある」「社会基盤に関わる仕事は達成感がある」など、参加者の多くが充実した仕事であることを強調した。今後、建設業に入職する女性に対しては、「誰にも負けない強みを持ってほしい」「仕事のために結婚や出産をあきらめないでほしい」と望む声が多かった。
 これら女性技術者の要望を踏まえ、同局企画部の原田昌直企画調査官は「貴重な意見を聞くことができた。女性が働きやすい環境づくりの参考にしていきたい」との考えを示した。
 当日は建設会社から広瀬組の岡田芙美工務部土木課技術主任、合田工務店建築本部建築部建築課の片岡賢美さん、藤田組の藤田由美社長、小島組の関本笑弥さん、建設コンサルタントから四電技術コンサルタント徳島支店環境グループの小藤美樹課長、四国建設コンサルタント技術第2部地質調査課の仲間真紀課長補佐、フジタ建設コンサルタント第1事業部(河川担当)の大寺礼子主任、第一コンサルタンツ設計一部地域防災課の山内佐恵さんが参加した。四国地方整備局からは香川河川国道事務所高松国道維持出張所の綾早都美管理係長、中村河川国道事務所四万十出張所の田代早紀技術係長、道路部道路工事課構造係の松尾怜さんが出席し、進行は同局徳島河川国道事務所河川調査課水防係長の相田晴美係長が務めた。
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