2014/12/17

【働きかた】夢は「世界で地図に残る仕事」 ベトナム人大成建設社員のレ・ホアンさん

現場に配属され、約6カ月が経過した。「最初は日本人の作業員さんに作業内容がうまく伝わらないこともあった」が、先輩のアドバイスを受け、いまではコミュニケーションもスムーズに。
 完成後には地域のランドマークとなる「荏原町駅前地区防災街区整備事業に係る建設工事」は、大成建設のベトナム人技能実習生受け入れモデル現場でもあり、コンクリート躯体の施工管理とともに、日越作業員双方の橋渡し役も担う。

 実際に働いて驚いたのは、「技術はもちろん、マネジメント能力の高さ」だという。ベトナムの現場に比べ、「コスト、品質、工程管理など、あらゆる場面で各段に優れている」ことを実感しながら、「工程が遅れないようにどう現場を管理するか、常に数手先を読み込む」姿勢や、チームワークによるものづくりを吸収している。
 責任のある仕事を任される場面も増え、「クリアするたびにやりがいを感じている」。不足すれば工程に影響し、多過ぎれば損料が発生する生コンクリートの発注は特に神経を使うが、「数量が計画とぴったり合った時がうれしい」と笑顔をみせる。現場をくまなく実測して発注量を決める地道な努力は、所長からも高く評価されている。
 「叱られても褒められても成長に役立つ」。あくまで前向きな28歳が目指すのは「Taisei quarity 品質は、私たちのプライド」に基づく技術、施工マネジメントの1日も早い習得だ。
 ベトナムの大学では建築構造を学んでいたが、「世界一の日本の建設技術を学びたい」との思いから留学を決めた。大成建設としてベトナム国籍の社員採用は初。ことしの入社式では新入社員代表として答辞を読み上げた。来日して約9年が経過し、現場では「逆にベトナム人からベトナム語で専門用語を教わることもある」と笑う。
 夢は「世界各地で『地図に残る仕事。』をする」こと。最終的には同社の社員として、「祖国の建設業界に貢献したい」と目を輝かせる。
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