2014/12/20

【東京駅】次の100年へ進化は止まらない! 丸の内駅前広場、地下街を一新

12月20日に開業から100年を迎える東京駅。1914(大正3)年12月20日に開業以来、首都東京とともに歩み続けてきた。東日本旅客鉄道(JR東日本)では、「東京駅が街になる」というコンセプトのもと、駅周辺の都市空間整備を加速させる。丸の内駅舎に続き、次の100年を見据え、永く親しまれる丸の内駅前広場空間を創出するとともに、地下エリアも整備する。駅前広場は2017年春、地下エリアは同年夏の完成を予定。歴史、伝統、文化、学術、ビジネス、先進性が融合した街「Tokyo Station City」として、魅力を高めていく。写真は丸の内駅前広場完成予想模型。

 「赤レンガ駅舎」として親しまれてきた東京駅丸の内駅舎。1945年の東京大空襲によって屋根などを焼失し、戦後の応急復旧によって八角形の南北の屋根と2階建ての駅舎が47年に完成し、長らくその姿が続いた。88年に東京ステーションギャラリーが開館し、2003年には国の重要文化財に指定された。

復原された東京駅丸の内駅舎。2012年に完成
東京都の東京駅周辺の再生整備に関する研究委員会の検討を経て、丸の内駅舎の保存・復原が決まる。07年から保存・復原工事が始まり、「風格ある都市景観の形成」「歴史的建造物の継承」を目指し、免震レトロフィット工法を採用した上で、南北の円形ドーム屋根と3階部分といった外観の保存・復原やドーム内観の復原など、辰野金吾の設計した創業時の姿が12年によみがえった。さらに13年には、八重洲口にグランルーフが完成した。
 大規模ターミナル駅開発は、都市における新たな経済成長の源になる。東京駅丸の内駅舎を100年前の姿に復原したことで、新たな観光スポットとして多くの人々が訪れている。周辺エリアも活性化してきた。JR東日本では、国際都市・東京を視野に入れた「駅を中心としたまちづくり」をさらに加速させる。
 保存・復原した東京駅丸の内駅舎とともに駅周辺地区の都市空間と一体化した首都東京の“玄関口”として、広場中央に大きな歩行者空間「都市の広場」(仮称)、その南北に交通広場を整備する。また、丸の内地下エリア約1万9000㎡を開発する。歩行者ネットワークを強化し、駅サービス機能を向上させるとともに、店舗開発や情報発信機能を拡充する。

◆交通結節機能を集約

 「都市の広場」は、約6500㎡。行幸通りとのデザインの一体性に配慮し、白を基調とした御影石舗装にするほか、皇居前広場につながる軸線を意識したケヤキを列植。駅舎の排水を浄化処理した再利用水を植栽に散水する。デザイン性の高い3灯式ポール照明柱をケヤキ植栽と平行に配置。約1200㎡の芝生と水景により、夏場の路面温度上昇を抑え、安らぎと清涼感のある広場にする。
 交通広場は、現行の都道を広場外周に再整備し、都市の広場の南北に路線バス、タクシーなどの交通結節機能を集約する。規模は南部が約6300㎡、北部が約5900㎡。サクラやモミジなどを植え、歩道部は都市の広場と同じ御影石舗装を採用する。
 丸の内地下エリアの整備は、地上の丸の内駅舎・駅前広場と並んで、地下の拠点エリアを創出する。

丸の内地下エリア整備図
駅前広場の地下の一部新規掘削(約4500㎡)と合わせて既存の改札内・外コンコース内装を一新するなど全面的に再配置する。地下南口付近の歩行者動線の結節点に、「動輪」のモニュメントを地下北口から移設するほか、イベントスペースを設けた約3500㎡の「地下南口待合広場」(仮称)を新たに整備する。
 既存店舗を一新して魅力的な雑貨・食物販などの店舗(面積約4100㎡)を設置するほか、地下中央口と東京メトロ丸の内線・東京駅と連絡するコンコースを2倍の約14mに拡幅する。

◆記念イベントも開催
 また、開業100周年に合わせて駅構内を始め、さまざまな個所で記念イベントを開催。19日に東京ステーションホテルで記念式典を行う。また、鉄道博物館では、東京駅の計画・建設過程や、フランツ・バルツァー、辰野金吾らを紹介する「東京駅開業百周年記念/100年のプロローグ」(15年2月16日まで)、東京ステーションギャラリーで東京駅を描いた絵画や写真、保存・復原工事で発生した部材や装飾などを展示した「東京駅100年の記憶」(同年3月1日まで)を開催している。旧新橋停車場鉄道歴史展示室では「東京駅開業とその時代」(同22日まで)が開かれている。
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