2014/11/04

【訃報】岡田新一氏 密度の高い公共建築を追求

建築家で岡田新一設計事務所社主の岡田新一(おかだ・しんいち)氏が10月27日、呼吸不全のため東京都文京区の病院で死去した。86歳だった。葬儀は10月30日に近親者で執り行った。喪主は妻弘子(ひろこ)さん。自宅は文京区本駒込6の7の1。後日、岡田家と事務所共催の送る会を開く予定。

 岡田氏は水戸市生まれ。1957年東大大学院修士課程修了後、鹿島に入社し設計部に勤務。63年米国・エール大建築芸術学部大学院修了(Master of Architecture)、64年SOM設計事務所(ニューヨーク事務所)勤務。65年鹿島理事・設計部企画課長などを経て、当時、戦後最大規模で行われた「最高裁判所新庁舎」の設計コンペで最優秀賞を獲得したのを契機に岡田新一設計事務所を69年設立。公共性を重視した密度の高い建築デザイン、建築計画の合理性を追求したシステムデザイン、環境・地域特性に配慮したアーバン・ランドスケープデザインを追求し、数多くの病院や文化・芸術施設、学校・図書館、事務所などを手掛けてきた。
 「最高裁判所新庁舎」で日本建築学会賞・建築業協会賞・BELCA賞(ロングライフ部門)、「岡山市立オリエント美術館」で建築業協会賞・第1回公共建築賞(文化施設部門)最優秀賞(建設大臣賞)・BELCA賞(ロングライフ部門)・日本建築家協会25年賞大賞、「宮崎県立美術館」で恩賜賞・日本芸術院賞・建築業協会賞・照明学会照明普及賞など数多くの賞を受賞している。
 89年米国建築家協会(AIA)名誉会員、2003年日本建築学会終身正会員、04年日本芸術院会員、06年日本建築家協会名誉会員、08年旭日中綬章受章。
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