2014/07/02

【建築】最小限の開口部と風の抜ける明るい内部実現 Example-House

デ・ステイル建築研究所(千葉市中央区、小島広行代表)が設計した戸建て住宅「Example-House」は、同市にあり、夫婦と子どもの3人家族が住んでいる。
 建設地に隣接する3件の土地は、同時期に宅地として分譲され、どのような家が建つか分からなかった。いずれも土地が狭く「建ぺい率いっぱいに建つと思ったため、どのような家ができても視線がバッティングしない建物にしよう」(小島代表)と検討を始めた。

 まずは、通行人や周囲のアパートからの視線も重ならないようにするため、道路に面した建物の東西両面の開口部を最小限に抑えた。それは、西面が玄関のみ、東面もゲストルームの足元に設けた曇りガラスの窓と中3階の窓のみという徹底ぶりだ。
 一方、このような制約下でも屋内に光を取り込むため、建物中央の1、2階と中2階にそれぞれライトコート(採光用の中庭)を置いた。さらに中2階や中3階など床の高さをずらしたり、2階の廊下の床に強化ガラスを使うことで、1階に光を落とした。
 南北面には一般的な家の窓とは違う高さに窓を多く配置した。薄暗く閉塞(へいそく)的になりがちな脱衣所や浴室も、プライバシーが守られるかたちでガラス張りにした。
 建物の外観が閉じているように感じるが、さまざまな工夫により、中に入ればどこにいても開放的で明るく、風が抜ける空間となった。これらが評価され、ことし3月には県と県建築士会が共催する県建築文化賞で、最優秀賞に相当する建築文化賞に輝いた。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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