2014/05/26

【神戸市】「デザイン都市」を標榜! 創造会議特別顧問に安藤忠雄氏

神戸市役所
神戸市は、「デザイン都市・神戸」創造会議を創設した。建築家の安藤忠雄氏を特別顧問に迎え、デザインの視点で神戸が持つブランド力を強化し新たな活力を創出するための施策について議論する。年度末には、まちづくりの提言を盛り込んだ報告書をまとめる予定だ。

 議長は齊木崇人神戸芸術工科大学長が務める。アドバイザーはプロダクトデザイナーの喜多俊之氏、佐々木雅幸文化庁文化芸術創造都市振興室長、安田丑作神戸すまいまちづくり公社常務理事が担当する。
 22日には、神戸市中央区のデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)で第1回会合を開いた=写真。
 久元喜造市長は「神戸市がユネスコの創造都市ネットワークデザイン都市に認定されて5年が経過する。今後は市民の目に見える形でデザイン都市としての政策を推し進めていかなければならない。この会議ではさまざまな業界の方に参画いただき、幅広い角度から議論し、具体的なまちづくりの提言をいただきたいと思っている」とあいさつ。「日常の中でのデザインと非日常的な都市空間のデザインをいかに調和するのか。調和せず緊張感を保つことが活性化につながるのかもしれない」と持論を展開した。
 会合では参画メンバーが自身の経歴を紹介し、「デザイン都市・神戸」の実現に対するアイデアを紹介した。
 建築家の島田陽氏(タトアーキテクツ/島田陽建築設計事務所)は「人と人が出会う
場をつくることが、新しいデザインを創造する環境づくりにつながるのではないか」と提案した。同じく建築家の高濱史子氏(+ft+/高濱建築設計事務所)は、以前活動拠点としていたスイスのまちと比較し「人口の割に美術館や博物館が少ない。もっと日常にかかわってくるくらいミュージアムがあった方がいい」と述べた。
 都市計画を専門とする嘉名光市大阪市大大学院准教授は、自身が手掛けた「水都大阪」の実績を紹介し、「まず『やりたいこと』を設定し、その目標を達成するためには何をするべきかを考えるべき」と意見。「現代的な神戸らしさをつくっていきたい」と意気込みを語った。

 そのほかの会議メンバーは次のとおり(敬称略)。
 ▽青木史郎(日本デザイン振興会常務理事)▽岩田弘三(神戸商工会議所副会頭、ロックフィールド社長)▽大谷燠(DANCE BOX代表)▽大月ヒロ子(イデア代表)▽川島蓉子(伊藤忠ファッションシステムifs未来研究所所長)▽福岡壯治(神戸電子専門学校学長)▽矢崎和彦(神戸経済同尾友会顧問・フェリシモ社長)▽山崎亮(studio-L代表)。
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