2014/02/24

【地域サポート】日本道路の梼原出張所、地元産材でぬくもり建て替え

日本道路四国支店の梼原出張所(高知県梼原町)は昭和40年代の開設以来、道路の維持・修繕などを通じて安全・安心な地域づくりをサポートし続けている。2013年12月に完成した新たな事務所は地元産材を多用して建て替えた。同事務所の梶原義之所長は、「地元へのお返しが少しでもできれば」という思いから、「建て替えの相談があった際にぜひとも木造でやりたい」と提案したという。周囲の景観に融け込む木造2階建ての事務所は、地元林業の活性化にも一役買っている。

 梼原町は高知県北西部の山間部に位置することから、冬季には降雪があり、主要幹線である県管理の国道197号では凍結抑制対策が重要な課題になっている。県の凍結抑制要請を受け、日本道路が同国道の2カ所に施工した凍結抑制舗装工法「アメニウレタン舗装」は、事故防止などに威力を発揮している。
 同舗装は、排水性の車両走行部分に弾性のあるウレタン樹脂を浸透・充填させ、舗装道路上を車両が走行することで雪氷路面の氷膜を破壊して路面露出を促進させる。
 1月に完成した2カ所目の施工に当たっては、1カ所目で20cm角だった格子状のウレタン樹脂充填部分を12cm角に変更し、性能を維持したままコストを縮減した。アメニウレタン舗装は、四国全体で4件の実績があり、うち3件は高知県内で施工されている。
 09年に環境モデル都市認定を受けた梼原町は、自然との共生や低炭素なまちづくりを推進しており、景観行政にも力を入れている。出張所の近くにある観光名所の町道、「坂本龍馬脱藩の道」には、日本道路の加熱アスファルト系表面処理工法、「リフレッシュシールMix-H」が採用されている。景観への配慮から、全国で2件目となる自然色舗装で施工し、町の要請に応えている。
 新事務所は、国内林業の活性化、地球温暖化対策の一環として、日本道路として初めて、地元産材をふんだんに使って建設した。規模は木造2階建て延べ162㎡で、外壁や外階段、柱、梁、床などに地元産材を使用している。
 瀟洒(しょうしゃ)な外観は注目度が高く、「往来する人が興味を示してくれる」(梶原所長)という。木のぬくもりに包まれた広々とした室内空間は冬でも床暖房だけで十分暖かく、職員からの評判も上々という。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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