2014/01/14

【企業】子育て中は商品開発 女性技術者の就業継続へ新手

社内で開催しているキャリア委員会
ストック型ビジネスで女性の就業を継続--。応用地質は、女性が働き続けることができる職場づくりに取り組んでいる。制度や仕組みといった側面からの支援だけでなく、会社の事業展開にまで踏み込んだ、根本的な対策を考えていることが特徴だ。女性職員キャリア委員会が最終報告書をまとめ、11日に開いた経営方針発表会で公表した。

 同社の新卒採用者は現在、総合職の女性技術者が4分の1から3分の1を占めている。約10年前から女性技術者の採用が増えた結果、33歳以下ではその比率が4分の1となった。しかし、出産や子育ての時期になると、家庭と仕事の両立が時間の面で難しく、退職の可能性が高くなる。
 成田賢社長は、「人材がいなくなることは会社としても損失が大きい」と指摘。対応策を探るため2013年5月に委員会を設置、女性技術者40人全員に、意見や悩み、継続できる働き方、女性から見た新しい職域などを聞いた。
 発注された業務を受注して、報告書を提出する現在の業務では、打ち合わせなど発注者の都合に合わせる必要があるため、就業時間内に仕事を終わらせることが難しく、受け身のフロー型ビジネスは対策に限界があることが分かった。
 子育てや介護などが必要な期間は、自分のペースに合わせて仕事ができる、企画して商品を開発・販売するストック型ビジネスを担当。元の職場に戻る環境が整えば、再び活躍してもらうことで、中途退職が抑制できる。成田社長は、「データベースづくりでも地質や土質の素養があれば、データの見方ができるので、次の展開につながる」と期待している。
 同社は、新たな事業の創出を志向しているため、ストック型ビジネスに積極的に取り組むことが、女性技術者の退職者減少にもつながるとみている。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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