2013/10/02

【BIM】施工段階まで踏み込むBIMへ 属性を建材ベースで管理 ArchiCAD17

施工図対応が大幅に向上
グラフィソフトが施工段階でのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)活用に舵を切った。9月末にリリースした最新版『ArchiCAD17』は、細部の収まりにまで踏み込んだ革新的な内容になった。同社日本法人グラフィソフトジャパン(東京都港区)の飯田貴プロダクトマーケティングマネージャーは「日本の要望を強く反映した」と明かす。


 

◇日本ユーザーの声を反映

 背景には、日本のユーザーの進展があった。大手・準大手ゼネコンでは施工段階のBIMを積極的に展開、海外事業でもBIMプロジェクトが増加傾向にある。平野雅之マーケティングマネージャーは「細部にまでこだわる日本のBIMが、海外でも評価されていることにも通じる」と説明する。同社のバージョンアップで日本の要望が積極的に反映されたのは今回が初めてだ。
 新機能の中で「優先度ベースの接続」と「見上げ・見下げ設定」の2つは日本の声がきっかけとなった。実際の施工と同じ収まりを再現するためには素材属性ごとの優先度を明確に定める必要があったほか、躯体図や天井伏図の作成には水平切断面をベースに見上げ・見下げ方向への対応が欠かせなかった。

 
材質を属性として設定できる
◇ビルディングマテリアル

 これらを実現するために開発したのが、属性を建材ベースで管理できる新機能「ビルディングマテリアル」。実際の収まりを再現するために、素材べースのルール設定を可能にした。最大999種類の材質を属性情報として入れ込むことができ、これによって的確な数量算出も実現する。
 飯田氏は「施工時にどちらが優先されるべき素材なのかを明確化するために、属性情報のルール化にこだわった。これによりモデルの作成スピードと品質は格段に高まる」と強調する。これまでは素材の属性設定が曖昧なため、施工図レベルの詳細な図面を描くには時間がかかっていた。ArchiCAD17は「まさしく日本仕様」とつけ加える。

◇施工図対応に踏み込む

 ソフト自体のパフォーマンスも強化した。施工段階を意識することで、作成されるBIMモデルの精度は増す。そこで建築系CADソフトでは初めて、マルチコアCPU(中央演算処理装置)を最大限に生かす「バックグラウンド処理」機能を採用した。
 コバーチ・ベンツェ社長は「数量までしっかり把握できないのはBIMの効果を捨ててしまうこと。最新版では長年のテーマだった施工図対応の部分にまで踏み込むことができた。日本の声を大幅に反映しただけに日本市場でのインパクトは予想以上に大きいはずだ」と確信している。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

1 件のコメント :

  1. 知り合いがいるけどその人はすごいなぁー

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