2013/01/19

【BIM】Sketch Upで3次元を身近に 日本代理店のアルファコックス

JR八王子前の現状をモデル化
3次元モデリングソフト『Sketch Up(スケッチアップ)』は、無償版とともに、2次元図面への書き出しなどが可能な有償版もあり、一般的なパソコンでも使うことができる。3次元を身近にしたソフトとして、活用の場を広げ続けている。
 有償版の日本販売総代理店で、モデリング業務も行うアルファコックス(東京都世田谷区)の廣瀬?伸社長は、2012年にスケッチアップがグーグル社からトリンブル社に移管され、今後は「測量機器や点群データとの連動が拡大する。土木から建築まで、上流から下流までを網羅したBIM対応の進展が期待できる」と説明する。


◇住民説明にも威力

 スケッチアップは、高精細な画像や大量の属性情報は持たないが、3次元の可視化による本質的なメリットを発揮する。田中雅子CTO(技術部門責任者)は「周辺の視認性や日影を含めた構造物の多角的な検討や住民への説明ができ、低コストなため行政からも好評を得ている。ディベロッパーには室内から皇居の見え方の説明にも使われている。建設会社から施工シミュレーションの要望もある」と、多様に使われていることを明かす。モデルがシンプルである分、プロジェクト初期段階のたび重なる変更にも対応しやすいからだ。
 また、BIMのトレンドにも対応している。同社が開発した周辺ソフトにより「ウオークスルーによるプレゼンや、iPadによるモデルの持ち運びもできる」とは牧鈴佳カスタマーサービスオフィサー。『3D-Vega』はウオークスルーデータを顧客に提供でき、プレゼンでは開発前後や電柱撤去前後の様子などを瞬時に切り替えられる。『B-Walker』は、iPadの性能に合わせ、陰影をモデルに焼き込み美観を整える。「動作は軽く、完成度が高い」(田中氏)。

◇3次元素材ライブラリ

 インターネット上の3D建材素材ライブラリ『BuildMate』は、大手メーカーの売れ筋インテリア・エクステリアの型番・寸法情報つきモデルなど3000点を提供する。在庫は2万点に及ぶ。植栽や家電のオリジナルモデルもあり「置くだけでリアリティーが増す」(廣瀬氏)という。近く某建機メーカーの重機モデルも提供し、旋回範囲のシミュレーションも可能になる。
 建物の点群データに基づく写真画像などを取り込み、加工・トレースし、改修・保存用のモデルや敷地周辺の簡易モデルも作成できる。
 このほか、慶応大学と共同で江戸時代の吉原を再現。公開中の立体視アニメ映画『009 RE:CYBORG』にもスケッチアップのモデルが使われた。「誰でも導入できるツールで、多分野に新たな視点を持ち込み、貢献する」(廣瀬氏)。それがスケッチアップの魅力の一つだ。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年1月16日12面

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