2012/11/26

【現場最前線】新潟駅で1200人動員した鉄道切替工事 JR新潟駅連立事業

新潟駅で行われた1200人規模の切替作業
東日本旅客鉄道(JR東日本)は、新潟市が事業主体となる新潟駅付近連続立体交差事業の高架橋本体工事の実施に向け、第3回仮線切替(上沼垂~新潟)工事を実施した=写真。今回の線路切替は、首都圏を除くJR東日本エリアにおいては最大級の規模となるもので、JR、施工会社を合わせて総勢約1200人を動員し、仮C線(信越下り線)と今回新設した仮電留線に接続する5カ所で線路を切り替え、駅部の高架化に必要な用地を創出した。
 新潟駅付近連続立体交差事業は、在来3線と上越新幹線が乗り入れるJR新潟駅付近の約2.5㎞(西側の越後線約1.4㎞、東側の信越・白新線約1.1㎞)の線路を高架化することで、踏切2カ所を解消。駅南北の一体化を図るとともに、駅構内を現在の4面7線から3面5線にスリム化する。
 高架橋を建設するため、駅東側の信越・白新線では既存4線を北側に新設したA、B、Cの仮3線(うち2線で単線双方向運転を実施)に切り換え、駅西側では南側にある電留線を北側の仮電留線に移し、工事に必要な用地を確保する。
 第3回切替工事は、全体を5工区に分けて進む連続立体交差化工事のうち、駅西、駅東、笹口の3工区にまたがる範囲で実施した。切替ポイントは、信越下り線を仮C線に切り替える駅東側の3カ所、仮電留線につなぐ西側の2カ所の計5カ所と広範囲にわたるため、関係者間で作業を綿密に調整した上で施工した。仮線軌道工事は第一建設工業が担当した。
 工事は4日午前12時ごろにスタートし、午後2時ごろに完了させる計画で進めた。
 最も東側の切替口1では在来線を仮C線につなぎ、切替口2、3でC線をホームに向かう既存線路に接続。西側では切替口4、5の2カ所を施工し、うち同5には分岐器を挿入して仮電留線への接続を完了した。工事が終わって約1時間の試運転において、線路の安全を十分に確認した上で営業列車を運行させた。
 信越・白新線で残る最後の白新上り線は、2013年秋の仮線の3線化によって使用停止し、撤去工事に入る予定だ。その後、高架橋の建設工事に全面着手する。
 また、今回の線路切替工事に合わせ、6、7番線ホームの使用廃止、8、9番線の使用開始と、新潟駅構内の信号設備の電子連動化も実施している。
 工事全体の完成予定(高架橋全面開業)は21年度を予定している。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!) 2012年11月26日 4面

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