2012/10/24

【建築】隈氏が内装デザインを担当! 日本郵便のJPタワー商業施設「KITTE」

発表会にのぞむ隈氏ら
日本郵便は、JR東京駅前に大成建設の施工で5月末に竣工した『JPタワー』の商業施設名を「KITTE(キッテ)」に決めた。23日に同社の鍋倉眞一社長と内装デザインを担当した建築家の隈研吾氏が会見し、施設コンセプトなどを説明。商業施設を含むタワー全体を2013年3月21日にグランドオープンすると発表した。 
 鍋倉社長は、「今後、不動産事業は大きな柱となる。グループ初の大規模開発案件として進めてきたJPタワーが人と人をつなぐ施設になることを期待している」と述べた。 
 JPタワーは、日本郵便と東日本旅客鉄道(JR東日本)、三菱地所が共同で建設。規模はSRC・S造地下4階地上38階建て塔屋3層延べ約21万2000㎡で、三菱地所設計が設計・監理を担当した。低層部の中央郵便局と1フロア3000㎡となる丸の内エリア最大級のオフィス空間は既に供用している。 

商業ゾーンアトリウム
商業ゾーンは、低層棟の地下1階-地上6階に配置。歴史的景観を継承するため、一部保存・再生した旧東京中央郵便局舎の保存部分と新築部分に囲まれた空間で、ガラス天井のアトリウムが最大の特徴となっている。店舗面積は約9400㎡で、多彩なニーズに合わせた98の飲食・物販店舗を集積。保存部分の4階には旧東京中央郵便局の郵便局長室を建築時の1931(昭和6)年と同じ状態に復元したメモリアルコーナーも設置。6階屋上部分には憩いの場として屋上庭園(面積約1500㎡)を整備し、東京駅丸の内駅舎などの景観を満喫できるようにする。 
 コンセプトは、日本の「心地よさ」「奥深さ」「愉しさ」などを体感・再認識できる施設を目指し、『Feel JAPAN』に設定している。これを具現化するため、隈研吾氏は、『光の空間』『線の空間』『記憶を紡ぐ空間』をテーマにデザイン。会見では「アトリウム空間に光の柱が浮かび上がるようにしている」とし、木材、瓦、織物、和紙など、日本古来から使われている素材を内装仕上げ材に使うことで、歴史と未来がつながり合う空間を創出したと話した。 
 内装工事の施工も大成建設が担当している。 
 JPタワーの所在地は丸の内2-7-2の敷地約1万1600㎡。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!) 2012年10月24日 4面

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