2012/09/05

来年1月に始まる世界最大級の建材見本市「BAU2013」

隔年開催される世界最大級の建材見本市「BAU2013」
2013年1月14日から6日間、ドイツ・ミュンヘンで開かれる世界最大級の建築・建材見本市「BAU2013」。約50カ国から2000社を超える企業が出展した2年前の前回の規模を上回り、期間中に25万人の来場者を見込む。主催するミュンヘン見本市会社のオイゲン・エゲーテンマイヤー常務は「日本が抱えている社会システムの課題は、ドイツを始め欧州各国も同じ。見本市ではサステナブル社会の到来に合わせて建築システムや建材のあり方まで、大きな変化の兆しを感じてもらえるはず」と強調する。

◇再生可能エネに世界が関心

 見本市のテーマは「サステナブル」「生涯建築」「エネルギー」「21世紀の都市づくり」の4つ。日本だけではなく、欧州各国も少子高齢化や再生エネルギー活用など持続社会の構築に向けた取り組みを加速している。これら4テーマは、まさに各国が抱える共通した課題でもある。
 ドイツでは、都市部の人口が拡大しており、2050年には全体の4分の3が都市部に集中すると言われている。建築家など専門家の間では社会インフラや都市づくりのあり方について活発な議論がわき起こっている。
 見本市では、こうした近年の建築物や都市が抱えるテーマを題材に、建築家が活発に意見交換するフォーラムなども企画している。
 エゲーテンマイヤー氏は「特に見逃せないのは福島第一原子力発電所の事故を教訓とした、再生可能エネルギーへの転換の流れ。その方向性は日本だけでなく、世界各国にとっても今後の社会システム全体を大きく左右する最重要課題である」と語る。

◇風力発電に必須の送電網

 ドイツ国内のエネルギー転換は動き出しているが、例えば風力発電事業ではドイツ北部で生成した電力を使うのは南部が中心となるため、「供給網の送電線をいかに張り巡らせるか」という問題が浮上しており、中には整備計画への反対運動に発展する地域も見られるという。
 エネルギー転換は社会インフラ整備に直結する動きであるだけに、「東日本大震災を契機に、将来のエネルギー供給のあり方が問われている日本にとっても十分に参考になる」と考えている。「エネルギーをどう効率よく確保し、そしてどう効率的に使うか。その2つの視点は出展する企業の多くが持ち得ている認識でもある。見本市は社会システムから建築のあり方、さらには建材まで最新のトレンドを知り得る絶好の機会である」と訴える。
 前回のBAU2011では、日本から商社や建材メーカーを中心に450人が訪れた。「ドイツと同様の問題を抱えている日本からはぜひ多くの方に来てもらいたい」とエゲーテンマイヤー氏は呼び掛ける。今回は現時点で600人を超える来場を見込んでいる。
建設通信新聞2012年9月5日12面

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