2012/09/10

「水熱爆砕処理」でセシウム8割を除去! 前田建設らが開発

実証実験プラント
前田建設は、CDMコンサルティング、東京工業大学、原子力研究バックエンド推進センターは、粘土鉱物や植物の細胞内などに入り込んだ放射性物質を除去・回収する技術を確立した。「水熱爆砕処理」と呼ばれる技術を使い、セシウムの除去率と減容化率はともに8割以上を達成している。汚染土壌のほか、汚泥や焼却灰、溶融灰、剪定(せんてい)枝などにも対応でき、今後、積極的に展開していく方針だ。

水熱爆砕処理概念図
水熱爆砕処理技術は、水と汚染物質を混合攪拌し、温度と圧力を加えて亜臨界状態(温度260度、圧力4・5メガパスカル)にしてセシウムを分離。その後、一気に圧力を解放して汚染物質に衝撃を加えて物質構造を破壊し、セシウムを水系に移行させる。移行したセシウムは、フェロシアン化鉄を使った凝集沈殿技術で回収する。
 水洗いなどでは分離できなかった細粒の粘土鉱物や植物の細胞内などに入り込んだセシウムを安全に分離、除去することができる。前田建設は1日約5tの汚染土壌処理が可能なプラントを建設し、実験を進めてきた。
 除去率と減容化率はともに8割以上で、反復運転すれば除去率は95%まで高まることを確認した。日本原子力研究開発機構から「土壌に吸着したセシウムの除去効果が期待できる」との評価を得ている。
建設通信新聞 2012年9月10日3面

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