2012/08/23

「落下原因解明に引き続き挑む」 朱鷺メッセデッキ事故で渡辺SDG代表が講演

7年以上にわたる裁判を経て、ことし3月に朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故訴訟の判決が下され、裁判所は原告である新潟県の請求を棄却した。東京構造設計事務所協会(ASDO)主催の講演会で、構造設計集団・SDGの渡辺邦夫代表は、裁判での闘いを振り返るとともに、事故原因解明の必要性を訴えた=写真。
 渡辺氏は事故発生後、独自の実大実験や膨大な応力解析を実施して原因究明に取り組んできた。事故原因として県が主張するPC定着部破断説に対し、渡辺氏は事故発生時の証言や解析シミュレーションから上弦材鉄骨破断説を確立し、鉄骨の溶接欠陥を主張した。
 判決では「原告が主張する事故原因を立証できない」として、原告の請求を棄却したが、SDGからの鉄骨部材の引き渡し請求も棄却され、原因の特定には現在も至っていない。
 渡辺氏は調査のやり直しを行わない新潟県の姿勢を「最後まで理解できなかった」とし、使命として原因解明に引き続き取り組む考えを示した。県は控訴したが、被告からSDGの名前は消えている。

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