2012/07/03

景観にも配慮した津波避難タワー 神奈川県が藤沢の湘南海岸公園に完成

完成した避難タワー
 神奈川県は1日、藤沢市の県立湘南海岸公園内(鵠沼海岸1)で設置工事を進めていた津波避難タワーの完成披露式を開いた。式典であいさつした黒岩祐治知事は、「このタワーは、津波が発生した場合、人命をどう救うかという趣旨の先導モデルとして急きょつくった。一人でも多くの命が救われることを願っている」とあいさつし、県内で初めて設置されたタワーの効果に期待を寄せた。

 タワーはS造のやぐら形式で、面積約50㎡のステージに約100人を収容する。ステージ高さ(標高)は、東日本大震災を踏まえて見直した津波高さを考慮し、想定最大津波高10・5mに2mの余裕高を加えた12・5m。
 太陽光発電設備、赤色灯、テントなどを備え、上部と周辺部に設置した太陽光パネルにより、外部電力に頼らず使用電力を賄う。日中は展望台として解放し、夜間は入り口に施錠するが、震度5以上の揺れを感知した場合は、自動解錠される。不正侵入を防止するため、入り口には監視カメラを設置し、夜間セキュリティーを確保している。
 また、景観面にも配慮し、藤沢市との協議で塗装色にダークブラウンを採用することで、公園内の景観に溶け込ませている。設計は県土整備局藤沢土木事務所、施工は三和工業が担当した。工事費は約3500万円。
 県は利用者の多い県立公園に先導的に設置し、維持管理のノウハウなどを沿岸自治体に提供することでタワーの設置を促す。黒岩知事は「湘南の海のあちらこちらにつくっていきたい」と沿岸自治体と連携したタワー設置に意欲を示した。

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