2012/07/19

大林組が全ての現場でiPad活用へ

 大林組は国内すべての建設現場で、タブレット端末「iPad(アイパッド)」を活用したワークスタイルの変革に乗り出す。8月から、施工管理を行う技術職全員に約3000台を配布する。クラウドコンピューティングやBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)などの新しいICT(情報通信技術)を組み合わせ、品質・安全管理の向上と業務効率の大幅な改善を両立する。

 タブレット端末には施工標準図や安全ダイジェストといった技術、安全資料を標準搭載する。必要図面はクラウドにより適宜、端末に取り込み、いつでも確認・参照できる。また、図面に書き込んだ記録は、その場で電子データとして保存。将来的にはBIMとも連携させ、施主や設計者との円滑な合意形成に生かす。
 現場作業員に対する指示の「見える化」にも役立つ。写真や計画書、打ち合わせ記録などを視覚的に示しながら説明できるため、施工管理者と作業員の共通理解が深まる。指示記録などはデータとして残るので、あらためてパソコンに入力する手間が省け、書類の作成作業が大幅に減る。
 通信環境は無線LAN(Wi-Fi)を用い、工事事務所のアクセスポイント経由でネットワーク接続する。セキュリティー対策として、電子証明書とMDM(モバイル・デバイス・マネジメント)を導入。ネット接続を登録端末に限定し、盗難・紛失に際しては、パスワードによるロックと自動フォーマット、リモートワイプでデータを守る。
 同社は既に、タブレット端末を使った配筋、設備、仕上げに関する現場検査支援システムを開発済み。一部の現場で運用し、高い効果を上げている。今回、端末を大量導入することで、同システムの現場展開を加速させるほか、現場の多様な環境変化に即応できる体制を整える。

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