2012/04/09

浅草六区でついに再開発始動 東京楽天地が東宝会館・浅草ボウルを解体

 阪急阪神東宝グループの総合ディベロッパー、東京楽天地が、東京・浅草の六区地区で計画している再開発プロジェクトが本格始動する見通しとなった。数年来、閉鎖したままになっている浅草東宝会館と楽天地浅草ボウルを2012年末までに解体し、跡地を再開発する。新たに建設する施設は現在、詳細を詰めている段階でプランは明らかになっていないが、エリア内に定められた地区計画に基づき、興行・商業機能が付加されることになりそうだ。

 同社では東京スカイツリーの開業を見据え、両施設を含めた浅草事業所跡地3000㎡超の再開発を検討してきた。
 このほど、既存建物の解体工事を安西工業(神戸市)に発注。SRC造地下1階地上4階建て延べ3619㎡の浅草東宝会館(浅草2-6-10)、SRC造5階建て延べ5100㎡の浅草ボウル(同2-6-7)を12月末までに解体撤去する。
 再開発エリアが位置する六区地区(浅草1、2丁目)約3・4haには、台東区が街並み誘導型の地区計画を定めている。区域内の300㎡以上の敷地に建設する施設には、劇場や観覧場、映画館、演芸場、スポーツ施設、ライブハウスといった興行機能の導入を義務化。1階部分に商業機能を配置することも求めている。
 また、メーンストリートである六区ブロードウェイの沿道区域約2・7ha(A地区)は、建築物の高さや最低敷地、壁面位置なども制限。高さ限度は31m(一部36m)だが、3000㎡以上の敷地で、そのうちの「100分の6以上」を公共用空地に充てる場合は、53mまで緩和する。
 このほか、デザインガイドラインも設定。建築物の外観は、「アール・デコ様式」といった昭和初期のデザインを採用するなど、浅草の歴史・文化を演出できる意匠が要求されている。
 六区地区には、更新期を迎えた建築物や閉鎖した状態の施設が複数立地。5月22日の東京スカイツリー開業に伴い、来訪者の大幅な増加は確実で、老朽建物の更新などに合わせたエリア全体の活性化が急がれている。
 区域内では既に、商業施設「ROX3」の建て替えに向けた工事が始まっており、13年夏に新施設がオープンする予定。浅草ボウルの向かいには、大衆演劇を興行していた旧浅草大勝館が閉館したままの状態で残っている。


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