2012/04/06

前川國男の設計思想生かしたリニューアル 東京都美術館が4月1日からオープン

 東京都美術館が1日、リニューアルオープンした。大規模改修工事のため2010年4月から全面休館していた。リニューアルに当たっては、ユニバーサルデザイン(UD)を取り入れることで利便性を高めた。また、外壁の打ち込みタイルを当時の技術を参考に作り直すことで、設計者である前川國男の設計思想を生かした。

 UD面では新たにエレベーターやエスカレーターを設け、子どもや障がい者が気軽に来館できるようにした。また、カフェやレストランを増築するとともにミュージアムショップの拡充を図った。このほか、省エネ化のため共用部分の照明をLED(発光ダイオード)に切り替え、20㌔ワットの太陽光発電も設置した。
 オープンに先立ち開かれた内覧会で真室佳武館長は「人の心のより所となる美術館を目指す」と意気込みを述べた。設計監理を担当した前川建築設計事務所の橋本功所長は「流行のデザインのパッチワークではなく、当時の時代精神を次の世代に伝えていくための、新しい改修工事の形を示すことができた」と語った。
 施設規模はRC一部SRC・S造地下4階地上4階建て延べ3万7748㎡。改修前に比べ5764㎡増床した。
 施工は建築を大成建設・名工建設・山口建設JV、電気を中電工・旭電業・清進電設JV、空調を大気社・東海テック・當木工事JV、衛生を西原衛生工業所・協立設備工業JVが担当した。


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