2012/01/26

補強、建替など3案提示/京都市中央卸売第一市場、青果棟を耐震化

現在の市場
 京都市が中央卸売市場第一市場を再整備する。老朽化が進む青果棟の耐震化方策として、耐震補強、部分建て替え、全面建て替えの3案を基本計画に盛り込んだ。また整備手法にPFIなど民活手法も検討する。3月に開かれる同市場運営協議会で審議し、12年度早期に成案化する。同年度から14年度にかけて、改訂版を踏まえた具体的な市場整備計画を検討し、15年度に策定する新マスタープランに反映させる。
 青果棟耐震化方策のうち、耐震補強案は、敷地内に仮移転先を確保し、順次、耐震補強を行う。工期は6-9年と最短で、コストも最も低いが、近い将来大規模改修が必要となるほか、新たな市場機能を導入しにくいなどのデメリットがある。
 部分建て替え方式は、敷地内に仮移転先を確保した上で、青果棟と関連棟を合わせて建て替える。工期は9-12年を見込む。
 全面建て替え方式は、青果棟・水産棟・関連施設など市場全体を全面的に建て替える。工期は14年-15年を想定している。
 部分建て替えと全面建て替えは、施設を稼働させながら、“ころがし方式”などで建て替える。土地の立体的活用や余剰地の処分、新たな市場機能導入が可能となる。
 同市場(下京区朱雀分木町80)は、全国初の中央卸売市場として、1927年に開設された。敷地面積は14万7192㎡。 主要施設のうち、築30年以上が経過した青果棟は 耐震性が不足しており、耐震化が急務となっている。
 施設は、青果棟が3棟総延べ2万6359㎡の規模。このほか、水産棟総延べ2万7176㎡、冷蔵庫総延べ1万0637㎡、業者事務所総延べ2万9746㎡、関連事業者店舗1万4840㎡。
 整備に当たっては、食文化の拠点として市民に開かれた市場とするほか、建設中の京都水族館など近隣施設と連携し、にぎわいを創出する。

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