2011/12/20

世界最大の社会実験「東京ユビキタス計画・銀座」にスマホ導入

 東京都と国土交通省は、ユビキタスID技術を活用した「東京ユビキタス計画・銀座」実証実験にスマートフォンを取り入れた。専用のアプリケーションソフトをスマートフォンにインストールすることによって、現在、自分がいる地点の周辺情報を手軽に入手できる。12年1月末からは機器の貸し出しも始め、特に外国人観光客の案内に役立てる予定だ。これほど大がかりな社会実験は、世界でも日本だけだ。
 この計画は、ICチップなどにより、高精度の位置情報を提供できる情報インフラを整備し、誰もが安心してまち歩きを楽しむことができるユニバーサルデザインのまちづくりを目指し、2005年度から取り組んでいる。
 実験の対象範囲である銀座4丁目周辺には、約1000個のマーカーやICチップが設置されており、このマーカーなどを通じて情報をやりとりすることにより、自身のいる場所を高精度に識別することが可能だ。このため、徒歩で移動する際の道案内などの情報をより正確に得ることができる。また、非常時には緊急避難場所への誘導指示にも利用できる。
 このほか、ICチップには地下構造物の情報も埋め込み、専用の読み取り機を使うことで、即座に現地の配管などの情報を得ることもでき、公物管理にも有効だ。
 実証実験の概要説明を行った坂村健東大教授によると、この規模で情報インフラを整備した実験は世界でも例はなく、世界から注目を集めており、今後、日本が世界をリードして行きたいと語った。14日から始まった「TORONSHOW2012」では、実証実験の結果をヨーロッパのコンソーシアムと共有する取り決めに調印した。

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