2011/07/11

9月から仙石線で新列車制御システム「ATACS」が稼働/JR東日本

 東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県の仙石線に、新たな列車制御システム「ATACS」が導入される。仙石線は当初、3月27日にこの先端システムを稼働させる予定だったが、津波によって無線通信用ケーブルの支柱が倒壊したり、列車上の制御装置が浸水するなどして復旧作業を続けていた。今回、ようやく復旧のめどが立ち、あおば通駅~東塩釜駅間で9月25日から使用開始することになった。
 「ATACS(アタックス)Advanced Train Administration and Communications System」は、閉塞区間に縛られない次世代型の列車制御方式だ。走行する列車自体が位置を検知し、無線を使い車上・地上間で双方向に情報通信を行うことによって、列車を制御する。
 第1ステップとして、列車走行に必要最低限な列車間隔制御機能などの使用を始める。その後、2011年度後半から踏切制御、臨時速度制限機能といった第2ステップの工事・試験に入り、12年度中の稼働を目指す。
 従来の列車制御システムの多くは、レールに電流を流して列車が在線する位置を検知し、信号機によって後続列車の運転士に走行可能な区間と速度を指示する方式を採用している。このため、信号機で区切られた1区間に1列車しか運転することができず、線路周りにさまざまな地上設備を設ける必要があった。
 仙石線は、塩釜より東側の石巻にかけて大きな被害を受けている。さらに女川に至っては壊滅的な打撃を受けた。いまだ残されたがれきも多いが、交通の復旧は被災地にとっても大きな励みになる。9月の復旧が待ち遠しい。

ATACSの概要

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