2011/07/01

「大キリン」を提供した中国・三一重工ってどんな会社?-3-終

同社の生コンポンプ車
 今回は、三一重工が中国から国外へと出て行く意志があるかを探ってみる。中国には、政治的に民間企業が海外へ出ることを許さない時代があったそうだ。しかし現在では国際市場を見通している。
 その際にもっとも重視するのは南半球だという。南米、アフリカ、中東はインフラ整備が遅れており、インドもインフラは中国より15年ほど遅れている。これらをバネに、これまで売上の10%程度だった海外比率を5年後に3割まで増加させたい考えだ。
 同社の生産工場ネットワークは現在、米国、ドイツ、ブラジル、インドで、インドネシアにも工場を新設する。将来は30カ国で工場、販売体制と、アフターサービスのネットワークを構築したいという。
 中国から見たら海外市場となる日本市場については、「進出することで、より良い製品をつくって技術を高めることができると信じている。日本の厳しい要求に応えることができれば、他の国でも信頼される」と技術力アップやブランド価値向上の手段と割り切る。まず得意とする生コンクリートポンプ圧送車の販売を、さらに大型機種をラインアップするクローラクレーンの投入もしていきたいという。
 最後に、同社の考え方をひとつ。「日本企業に提携の意欲があれば、われわれは歓迎する。先進国の進出方策についてはまだまだ検討の余地があるが、日本市場で製品のニーズがあるなら、市場に合わせて考えていきたい」と、提携には前向きの姿勢だ。
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